みなさんこんにちわ!
保険、証券、投資信託を販売しない独立系ファイナンシャルプランナーの山本です。
本日は、車をお持ちの方ならほとんどの方が加入している自動車保険について勉強したいと思います。
まず質問です。
自動車保険、この数年間で補償の内容見直しされたことありますか?
いえ。車買ったところで加入したきり、ずっとそのままです
そうですよね なかなか見直さないですよね!
私が保険会社に勤めていた時のデータでは90%以上の方が前年と同じ補償内容で更新されていて、ほとんどの方が見直しをしていないというデータがありました。
今日は、そんな自動車保険をどのように補償をかけるのかが良いのか見ていきたいと思います。
・自動車保険の基本的な内容がわかります
・補償の掛け方がわかります
・代理店経由から通販型で加入すべきかタイプがわかります
・自動車保険の内容
自賠責保険と任意保険
対人賠償、対物賠償、人身傷害保険、車両保険
主な特約 代車特約、ドラレコ特約、弁護士費用特約、個人賠償責任特約
・代理店経由?通販型??タイプ別診断
・まとめ
この記事を読み、補償や加入目的を理解して、納得いく上で毎年保険料を支払いましょう!
自動車保険の内容
自賠責保険(強制保険)と任意保険
自動車保険には、すべての自動車に契約を締結しないといけない、自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)と本日のテーマである民間の保険会社が販売し、任意で加入する自動車保険の二つに分かれます。
自賠責保険は、自動車損害賠償保障法のもと、すべての自動車への契約が義務付けられており強制保険とも言われています。
車を新車、中古車問わず購入した際や、車検の時に購入代金や車検代金に含まれて請求されるため、加入している認識はない方もおられますが、すべての自動車が加入しています。
自賠責保険と任意保険の補償内容
補償内容 | 自賠責保険 | 任意保険 |
対人賠償 | 死亡:3千万 治療関係費:120万 後遺障害:4,000万 | 無制限の設定可能 |
対物賠償 | なし | 無制限の設定可能 |
運転者・搭乗者のケガ | なし | 無制限の設定可能 |
車両損害 | なし | 車両の時価額まで設定可能 |
表のとおり、自賠責保険は対人賠償のみの補償となっており、補償の上限があり万一の大きな事故の際には、充分な補償ができません。そのために民間の損害保険会社が任意保険の自動車保険を販売しているという状況です。
ここからは、任意保険の自動車保険の内容を見ていきましょう。
対人賠償保険
・自賠責保険で支払われる金額を超過した際に、超過額に対して支払われる
・被害者救済の観点から、無免許運転、酒気帯び運転でも支払い対象となる
・保険金額は無制限が必須
過去の判例では最高5億円を超える事例もあり、保険金額は無制限が必須です。
対物賠償保険
・賠償には、修理代などの直接損害から、お店を休んだ際に稼ぎ損ねた休業損害などの間接損害も賠償の対象となる
・被害者救済の観点から、無免許運転、酒気帯び運転でも支払い対象となる
このように、休業損害も補償の対象となることから、踏切で立ち往生し、電車を止めたケースや、電柱にぶつかり付近の店が営業できなくなった際の賠償事故を考え、保険金額を無制限にすることが必須です。
人身傷害保険(運転者・同乗者のケガの補償)
・相手がいた場合でも、過失割合に関わらず、示談成立を待たずに保険金を受け取ることが可能
こちらは賠償と異なり、自身や同乗者のための保険であり、保険金額の設定に悩むところです。
一般的に、代理店の方は無制限をオススメしてきますが、健康保険が使えることや、収入の柱の方に万一のことがあった際に、生命保険に加入しておけば、無理に無制限にする必要はないと考えます。
私は5千万から~1億円でおすすめをしていました。最低金額が3千万の保険会社が多いですが、3千万だと、同乗者の方がなくなった際の補償が乏しいためです。
自営業者の方でご家族が居られ、且つ生命保険の補償が乏しい方は無制限や1億円の補償をおすすめします。
車両保険
・保険料はフルカバータイプだと全体の半分以上を占める
・補償範囲を狭めるエコノミータイプとフルカバータイプが存在
・小さな事故で保険を利用すると次年度以降の保険料があがるため使いにくい保険
ご自身の財産である「クルマ」の損害を補償する保険なので、誰もが必要と思うところです。ですが、この車両保険、保険料が高いという問題があります。車種や年齢、免許証の色など様々な要因で決まりますが、平均するとフルカバータイプですと、全体の半分以上が車両保険の保険料になっています。
ここでは、車両保険が経済的合理性に基づき必要か不要かについて深堀りしたいと思います。
・修理代金を準備できない方
・ローンの残債が貯蓄額を大きく上回っている方
結論から申し上げますとこの2点に当てはまる方は車両保険が必要です。
修理代金を準備できない方は、事故で車に損傷が起きた際に、修理するお金がなければ車はただの鉄の塊となり、売却するしか方法がなくなってしまいます。もちろん、事故をした状況での売却となるので、タダ同然での引き取りになる可能性が大です。
次にローンの残債が貯蓄額を上回っている方は、万一全損事故のような大きな事故をした際に、ローンだけが残ってしまい、貯蓄額がない場合は、車がなくなったのにローンだけ支払い続けるという状況になってしまいます。
なので、ローンを組んでいるいて、貯蓄額が少ない方は車両保険の加入が必須です。
逆に、修理代を支払える貯蓄額がある方や、現金でくるまを購入された方で一定の貯蓄がある方は車両保険が不要という考えも可能です。
保険はあくまで万一のことが起きた際に自分でどうしようもない損害を被った時に助けてもらう制度という基本的な考えに戻れば、不要という考えも理解できるかなと思います。
主な特約について
最後に特約についてご案内します。
自動車保険の特約は様々なものがあり、何をどう選べばいいのか悩まれると思います。
背景としては、自動運転の車が増える中、自動車保険の事故が減り、保険料が値下げのトレンドにあるため、単価を維持しようという保険会社の戦略で様々な特約が登場しているという背景があります。
もちろん、社会的に必要なものもありますが、中には必要のないものも混ざっているので要注意です。
保険会社および代理店が勧めてくる主な特約4つについて見ていきたいと思います。
代車特約
こちらは、事故や故障で代車が必要となった時に使える特約です。
毎日、車を利用している方などには必要な特約です。
ですが、この代車ですが保険会社によっては提携先の修理工場へ事故や故障で修理が必要な車を搬入すれば、代車を無料で貸してくれる保険会社があります。
注意点としては、自動車整備工場やカーディーラー、中古車販売店といった車に関する本業の代理店経由で加入している方に対しては、保険会社は本業の修理の顧客を奪うことになるため、保険会社は案内をしてくれません。
カーディーラーなど保険に力を入れている代理店は、代車特約がないと、事故時に代車を無料で提供できないから加入をするべきと促してこられると思いますが、修理をディーラーでしなくても良いという方なら、代車を無料で提供してくれる代理店経由で加入するのもいいかと思います。
ドラレコ特約
ドラレコ特約は近年、国内損保社がこぞって力を入れている特約であります。
市販のドラレコと異なり、事故時に保険会社へ連絡が自動的につながるものや、現地に提携先の警備会社が出向いてくれるなど、サービスを強化しています。
こちらは、運転初心者の方や、ご高齢の方には安心を提供できる良い商品であると思います。
一方で、事故時に相談できる代理店が取引先にいる方や、保険は最低限に抑えたいという方には、必要でないサービスとも考えられるので、個々の判断になります。
注意点としては、年間1万円近く特約保険料が掛かるので、ドラレコを買えてしまうという問題と、一度つけると他社へ契約を変更する際に外して返却しないといけないという手間が発生します。
弁護士費用特約
次に弁護士費用特約です。
こちらは、自身が過失のないもらい事故などにあった際に、賠償請求を弁護士に委任して行う際の費用を補償する特約です。
通常、自身に過失のないもらい事故では、加入している保険会社は相手方に対し、示談交渉が出来ません。そうなると相手に対しての交渉を自分で行う必要があるのですが、その際にこの特約が有効に使えます。
一方で、相手が保険に加入しているときは加入先の保険会社が相手になり、スムーズに賠償が支払われるケースがほとんどであり、0:100の事故に遭い、且つ相手方からの賠償額に納得がいかないケースや、事故の賠償を払ってくれないなどの特殊なケースでしか使うことはないのが実情です。
今では、車の事故に問わず、日常生活での事故の被害者となった際に使える日常事故型もあり、トラブルになった際に弁護士委任したいという方にはオススメです。
個人賠償責任特約
最後に個人賠償責任特約のご案内です。
こちらは、自動車事故以外の日常生活に起因する加害事故を起こした際に発生する賠償責任を補償する特約です。
自転車保険やゴルファー保険などについてる補償ですが、年間2千円前後の保険料で無制限の賠償が得られる保険の価値を最大限に活かせる保険になるので一家に1件かならず加入をおすすめします。
注意点としては、この特約、賃貸住宅の入居時にすすめられて加入する火災保険や、クレジットカード、自転車保険など様々な保険についている可能性があります。
補償が重複する可能性があるので、特約を付ける際には注意をして下さい。
また、自動車保険の特約で付けた際には、将来自動車を廃車や売却し解約した時に、この特約もなくなってしまうので、加入しなおす必要があることを覚えておいてください。
代理店経由?通販型??タイプ別診断
色んな補償や特約がある自動車保険ですが、加入するのはどこから入るのが一番いいのか?とお悩みの方もいらっしゃると思います。
今までの経験から踏まえたパターン別におすすめの加入先を記載したいと思います。
愛車を大事にしたい方
まず、クルマを大事にしていて、純正部品や整備などにこだわりを持っている方は、間違えなく車を購入されたディーラー、中古車販売店で保険加入されることをおすすめします。
自動車販売店は大手になればなるほど、組織対応で自動車保険の拡販に力を入れており、営業マンの自動車保険の商品知識が高い傾向にあります。
また、ディーラーならではブランド保険があったり、事故や故障時にディーラーへ連絡を一本入れるだけで、レッカーの手配から代車の手配、保険会社への事故連絡などをやってくれ、お任せでいけますので安心です。
保険の窓口を一本化したい方
生命保険、医療保険、火災保険、様々な保険がある中で保険に関する窓口を一本化したいという方は、生保、損保両方の商品を販売している保険の専業代理店経由での加入がオススメです。
専業の代理店なら、先ほどの代車の無料手配先の紹介や、弁護士費用特約に加入していないケースでの弁護士の紹介など、ネットワークを持っているところが多いのでオススメです。
注意点は、ショッピングモールなどに入っている保険代理店は生命保険がメインの会社が多く自動車保険の事故時の経験が少ない可能性もあるので、見極めが大事です。
見極め方法は簡単ですぐに見積作れますかと聞き、すぐに作ってくれない方は、自動車保険は経験が浅いと考えて間違いないです。
損保をメインにしている代理店ならばその点の心配はクリアになります。
とにかく保険料を抑えたい方
保険の内容は自己責任で理解し、とにかく最低限の補償、サービスでいいという方は通販型保険でいいと思います。
注意点としては、気付かない点についてのアドバイスがなくすべてが自己責任となります。
例としては、年齢条件の変更(年齢が25歳から26歳になると保険料が大幅に安くなる)や、先ほどの個人賠償責任特約付きの自動車保険を解約した際に補償がなくなるアドバイスがないなど、アドバイスをもらえる機会がないという点です。
また、代理店経由での加入と比較し、引き受けが厳しく、新規で6等級で加入した方は事故をして、デメリット等級になると1回の事故でも車両保険を断れられる可能性が高いです。大きなローンを抱えて、6等級で加入する方は代理店経由での加入で長期分割契約で加入されることをおすすめします。
まとめ
如何でしたでしょうか?
普段何となく加入されている自動車保険も奥が深いです。
加入方法や加入先について簡単に振り返ります。
・対人対物は無制限
・人身傷害は5千万~1億円
・車両保険は貯蓄が十分ある方は必要ではない
◎加入先
クルマ好きなら自動車販売店
保険を一本にまとめたいなら専業代理店
保険料抑えるために自己責任で割り切れるなら通販型
以上のように、みなさん個人個人で車に対する考え方や保険に対する考え方が異なると思います。
大事なのは、補償をしっかり理解して、納得した上で商品を選択し、保険料を支払うことです。
この記事をきっかけに、自動車保険の見直しを是非ともしてみてください。
みなさんのカーライフがより充実することを祈念します!!