日本はスタグフレーションに?原因と対策について

ジリ貧 経済・金融

皆さんこんにちは保険、証券、投資信託を販売しない独立系ファイナンシャルプランナーの山本です。
本日は最近ツイッターなどでトレンド入りしてよく聞かれる言葉となったスタグフレーションについてお話をしたいと思います。

スタグフレーションとは

まずはスタグフレーションの意味を見ていきましょう。

スタグフレーションとは、景気が後退して中で、物価上昇(インフレーション)が同時に進行することを言います。景気後退の(スタグネーション)と物価上昇の(インフレーション)を組み合わせた言葉になります。
現在ですと原油価格や原材料の高騰により物価が上昇している一方、賃金が上がらない状況を指し、この言葉が出てくるようになっています。
教科書的には1970年代のオイルショック時があげられますが、手取りベースで考えた時には日本はここ30年間ずっとスタグフレーションという風にも考えられます。

スタグフレーションとなる原因

スタグフレーションの原因ですが、石油、天然ガスなどのエネルギー資源、食料品などの高騰による物価上昇と景気後退が同時に起こる「悪性インフレ」と呼ばれる状況です。

景気後退時には需要が下がるので通常は物の価格は下がります。
しかし、今回のウクライナの戦争や干ばつなどの異常気象、中国の行き過ぎたコロナに対するロックダウンによる物流網のストップといった供給側の原因で物価が上がる特殊な状況でスタグフレーションは発生します。

今後、日本はどうなる??

日本は幸いにも欧米と比較し、物価が10%近く上昇しているような状況ではありませんが、他国と比較して、賃金がまったく上がっていない、むしろ手取りベースでは減っている状況が30年続いているので、アメリカを始めとした先進国と比較し、物を買う力(購買力)が落ち続けています。
通常、他国と比較しこれだけ物価および手取りが増えないならば日本円(JPY)の価値が上がり続けているべきで円高(60円~70円レベル)になっていないといけないのです。しかし、残念ながら日本の国力自体の低下と昨今の金融政策の相違から急激な円安にシフトしてしまいました。(2022年8月16日現在1ドル133円)
もちろん、アメリカの景気後退が予想通りくれば、FRBが金融政策を現在の引き締めから緩和へ転じるので一時的には円高に戻るでしょうが、長い目で見たら、日本円が相対的に負けていく(円安)ことが予想できます。
そうなると食料、エネルギーの自給率が低い日本ではいくらトヨタなどの輸出企業が円安の恩恵で利益が増えたとしても、輸入物価が上がり、賃金が上がらない限り、生活は楽にならないと予測ができます。これは、スタグフレーションというより、輸入物価の上昇による購買力の低下という現象が続くということです。

対策

それでは私たちはどのような対策を取ればいいのでしょうか?

日本国ができること

国ができることとすれば、賃金をあがることと、人口を増やすことと考えます。
何故、人口かというと人口増加は労働力が増えることを意味し、結果として経済成長をもたらすからです。

・賃金をあげる努力を行う

賃金を上げるためには、企業の生産性向上および雇用の流動性を高めることが必要です。
日本は終身雇用制度のもと、いまだに大企業では組合が存在し、年功序列で年次の高い社員に高い給料を支払い、企業経営を圧迫しています。
ここから先は色んな意見があると思いますが、本気で国が賃金を上げたいならば、まずは大企業からプロのスポーツ選手のように毎年契約更新にして、給与を会社と交渉して決めるような仕組みを導入すれば、賃金上昇および雇用の流動性が起きると考えます。そうすれば大企業で昇進の見込みがなくなりモチベーションが下がっているベテランの社員の方もやる気スイッチが入りますし、中小企業へ転職し、マネージャーやコンサルタントとして、活躍できる場が拡がり、日本の活性化につながると考えます。

・人口を増やす努力を行う

購買力が下がり続けている日本ではすでに手遅れかもしれませんが、やはり移民を増やすことが即効性があります。これには我々日本人の根底にある考えを変える必要がありますし、今や東南アジアの方は上海や深圳へ出稼ぎに行った方が給料が高いという問題もありますが、日本のブランド力はまだまだあると思うので、インバウンドのみならず移民政策も力を入れて欲しいと考えます。

また、出生率の低下についてですが、結婚した女性は30年前から変わらない比率で子どもを生んでいるというデータがあるように未婚率の上昇が出生率低下の原因とも考えられます。
文化や趣味、思考の多様性もありますが、金銭的な課題で結婚をあきらめている方が多いという現状からも結婚を促進する施策というのがかなり必要かと思いました。
うちの家もこどもが二人いますが、国の補助があるからこども産もうとは思いませんもんね💦

個人ができること

さて最後に本題です。そうは言っても国の施策に頼っていたらジリ貧になるのはこの30年が示しているので我々個人ができる方法を考えたいと思います。

・自分へ投資を行う(人的資本の投資)

やはり自分への投資が一番でしょう!

これはサラリーマン競争を勝ち抜き出世するなどという狭い世界ではなく、幸せな人生を送るために自己投資をするということです。
日本は終身雇用制度のために大学受験が人生で一番勉強した時という方が多く、社会人になってから勉強しない人が多いと言われています。これは転職市場が開かれていないのも大きな問題と思います。
しかし、定年後30年、40年あるかもしれない長すぎる老後をどう過ごすかは自分のスキルを活かせる楽しい仕事をしないとボケ一直線になりますよね(笑)
そうならないために自分の好きなことに時間、カネを投資し、たとえそれが今は収入に繋がらなくても始めるべきと思います。
私もサラリーマンから独立する前にこの本を読み、自分の真にやりたいことを探し、保険会社出身でありながら、保険を売らないFPをやることにしました。
もし、やりたいことが見つからないという方はオススメです!

今の時代、副業も普通になっていますし、何より収入の蛇口が複数ある精神的なゆとりは凄いです!!

・日本より成長が見込めるマーケットへの投資(金融資本の投資)
先ほどから日本はダメだと言って、日本国を否定ばかりし、最後は海外投資かよ!?と思われるかもしれませんが、日本以外というには理由があります。

なぜなら、皆さんが今、人的資本を投資しているのは「日本」ですよね?日本の企業に勤め、日本円で給与貰っていますよね?
そこに皆さんの大切な資産である金融資本も「日本」へ投資するのは分散投資の概念から合わないと考えるためです。

もちろん日本も今後web3の世界で税制が緩和され、クリエイターエコノミーの時代になれば日本の力はすごいのでNext GAFAがweb3の世界で生まれる可能性はゼロではありません。
ですが、リスクを抑え、今後来るであろう、輸入物価上昇によるインフレに対応するためには外貨を保有すること。その中でも、今後日本より成長するだろう国へ投資するのが一番なのです。

そしたら今はやりの米国株でしょうと言われるかもしれませんが、正直私もアメリカが今後も世界のリーダーで一番成長するとは思えません。というか予想できない・・・・

今は、全世界株式を指数とするETFなどがあるのでそういったETFへ投資をするというのが一つの解なのではないかと考えています。

タイトルとURLをコピーしました