みなさん こんにちわ!
保険、証券、投資信託を販売しない独立系ファイナンシャルプランナーの山本です。
本日は、自動車保険の長期契約について考えていきたいと思います
自動車保険 長期契約の概要
自動車保険は通常保険期間が1年なのですが、2年以上の保険期間で契約を結ぶものを長期契約といいます。
支払い方法
保険期間によって異なり2年、3年の契約が月払、年払も対応している一方で、4年以上の契約は一括払いになっています。
保険期間 | 2年・3年 | 4年~7年 |
支払方法 | 月払・年払・一括払 | ※一括払のみ |
※リースやカーローン組み込み型は実際の支払いは月払いのものもある
どこで加入できるの?
長期契約は、代理店経由で保険を販売している保険会社で加入が可能です。
通販型の自動車保険会社は長期契約を販売していません。
長期契約のメリットとデメリット
次に長期契約のメリットとデメリットについてみていきます。
長期契約メリット
事故をしても保険料が変わらない
事故をしたケースでも保険料が変わらないというのが最大のメリットです。
もちろん、満期が来た後は期間中の事故件数により等級および事故あり係数が適用されるのですが、
保険料の値上がりを満期まで先送りできるというのがメリットです。
具体例1 3年長期契約で加入時16等級の方が2年目に3等級ダウン事故をした場合
注:保険料はフラット料率15万円でノンフリートの割引率のみを考慮して計算
本来の保険料は弁護士特約、代車特約など固定のものもあるので実際は異なることや、長期分割の際に2年目以降の保険料を若干割増引きしており、ご自身のお車、等級での比較は代理店・保険会社へお問合せください。
このケースでは34,500円も3年契約で加入していた時の方がお得になります。
メリットに記載した通り、保険料が上がるのを先送りできることと、赤字で記載した事故有係数も、満期後2年となっており、1年契約だと3等級ダウン事故1件につき3年となるところが軽減されています。
事故有係数が軽減される
二つ目のメリットである事故有係数の軽減例を
具体例2 20等級の人が2年目に飛び石事故で車両保険(1等級ダウン)を使用したケース
このケースでは、2年目に飛び石事故で保険使用すると3年目が1年契約では19等級の事故有係数が1年付くため割引率が下がるために3年目の保険料が上がります。
一方、3年長期契約は、3年間で1等級ダウン事故1件という計算で満期を迎えるために、満期では契約した時と同じく20等級の事故有0年で契約が可能となります。
結果として、3年目の保険料差が出るために、42,000円3年契約で加入していた時の方がお得となります。
このようになるカラクリは、長期契約の等級および、事故有係数の計算式に理由がありますが、かなりマニアックな計算式となるのでここでは割愛します。
しかし、等級ダウンによる保険料アップを満期まで先延ばしできるメリット、事故有係数を1年軽減できるメリットはこちらの等級別の割増引き率を見てもらうことで理解いただけると思います。
ご覧のように同じ等級でも、事故有係数があるのとないのでは、等級が7等級以上の方では大幅に割引率が異なります。これを1年軽減できるだけでもお得ということがわかります。
また、近年流行りの車を定額で乗れるリース車両と保険をセットで加入する商品は保険期間が7年となるため、期間中3等級事故を1件起こしても、事故有係数が満期時になくなるため、事故をした際にはとてもメリットがあります。
一方で、保険料をリースに組み込むため、保険料にも金利が掛かってしまい、事故がないケースでの総支払額が上がってしまうというデメリットもあります。リースで車を購入する際は、この点覚えておいてください。
期間中の更新手続きが不要
保険期間が1年から長期にかわるため、保険の更新手続きのタームが長くなります。
煩らわしい手続きが3年契約なら3年に一度になる一方で、代理店からの情報を得る機会も3年に一度になるというデメリットもあります。
また、年齢条件や車の使用目的などの変更があった時は、契約者が通知をする義務があるので、その確認も3年に一度になるので注意が必要です。保険会社から年に一度DMが届くケースがほとんどなので、必ず確認をし、通知事項に変更がないか確認をしてください。
一括払いの場合、割引が適用される
火災保険同様に一括払いですと若干の割引があります。
ただ、リース契約の場合を除き、私の経験では4年以上の保険料を一括で支払う方はほとんどいらっしゃりませんでした。
長期契約デメリット
次にデメリットについてお話しします。
先ほどまとめた通りですが、デメリットはほとんどのケースが回避が可能です。
ゴールド免許になったケース
契約を一度解約して再加入すれば対応が可能です。
ただ、長期分割のメリットとの良いとこどりとなるために保険の相互扶助の観点から断れるケースもあり、ゴールド免許の10%ほどの割引をもらうために他の代理店を探す手間を考えるならばこのデメリットは受け入れる必要があると思います。
商品改定が入ったケース
こちらは代理店へお願いすれば再加入が可能です。
ただ、満期まで3年間の間は更新がないため、お客様側が情報を取り、代理店へ頼む必要があるので、情報を得る機会が1年から3年になるという点でデメリットといえます。
代理店と反りが合わなくなった際のケース
事故対応が不十分だったや、保険以外の本業の取引でトラブルをしたなどの理由では変更してくれません。損害保険の契約は諾成契約といい、契約者と代理店の双方が保険期間を含む保険の内容に合意して契約が成立するものなので、保険期間満了まではその代理店と対応するしかありません。
ただ、トラブルがあったあと、保険の契約内容の変更や、事故があった時は各社フリーダイヤルを設置しているので、代理店を通したくないとオペレーターの方にお願いすると直接対応をしてくれるケースがほとんどなので代理店との接触はせずに済みます。(契約は代理店に紐づいているため、契約内容や事故を起こしたというデータは保険会社から代理店へ共有されます)
代理店が保険業法違反のような、重大なミスを起こした際は、保険会社は取り扱い先の代理店を変更してくれます。
保険期間中2事故以上起こしたケース
このケースが唯一長期契約のデメリットといえます。
長期契約の等級の計算上、1年間に2事故起こしたケースは、満期時に1等級長期契約の方が等級が低くなる仕組みなっています。
ただ、1年目や2年目で2事故起こしたケースでは、6等級ダウンになるのを満期まで先送りできるためその差額でデメリットをカバーできます。
しかし、保険期間の最終年度(3年契約なら3年目)に2件以上事故を起こしたケースは保険料の先送りメリットを得られず満期時に1等級低くなるというデメリットのみとなるので、このケースが唯一のデメリットと言えます。
長期契約が向いている方
ここまで長期契約の概要、メリットを見てきましたが、一体どういう方が長期契約に向いているかみていきたいと思います。
・代理店経由での自動車保険を希望される方全員
・車両保険を加入の方
・新規(6等級で加入の方)
代理店経由での自動車保険を希望される方
逆に言うと通販を希望しない方は全員という意味です。
通販型の保険会社は代理店手数料を支払う必要がないため、保険料が安い一方ですべてが自己責任となります。
自動車保険は、数百万から数千万の補償をしてくれる商品なので、不安という方は代理店経由での加入を希望されると思いますが、先ほど述べたようにデメリットはほぼないので、全員が長期契約での加入をオススメします。
車両保険を加入の方
車両保険は対人、対物を異なり使用する確率が高い商品です。
近年では、ゲリラ豪雨や雹、台風などの自然災害も増加しており、ご自身で回避できないリスクが増えている状況です。
そんな中、自然災害による車両保険適用は1等級ダウンとなるため、長期契約ならば、満期までの間に他に保険使用がなければ、事故有係数が消えますのでお得となります。
新規(6等級で加入の方)
最後に6等級新規で加入する方です。
理由としては、保険の内容を十分理解していない状況では、通販はリスクが高い。事故をしたらデメリット等級といい、保険会社の引き受けが厳しくなるなどがあげられます。
詳細は別記事で細かく記載したのでご覧ください。
最後に・・・
いかがでしたでしょうか?
長期契約のメリット、デメリット、代理店経由ならば長期契約がオススメということを理解できたかと思います。
最後に裏の話を少しします。
この長期契約ですが、保険会社および販売代理店によって引き受けのスタンスが異なります。
理由としては、長期契約の契約者側のメリットが大きすぎるために、保険会社としては事故をしても保険料を多くとれないため損害率が安定しないと考える会社があること。
代理店側も特に6等級で長期契約で販売すると代理店に入る代理店手数料が低いため、積極的に販売しない会社があるという裏事情を知っておいてください。
自動車販売会社の場合、そういうことはないと思いますが、一部の専業代理店では、長期契約のメリットを知りながら、お客様との接点なくなるという理由が先ほどの手数料が下がる問題から案内をしない会社もあるのでお気をつけください。
お金の学校では、このように保険会社、銀行、証券会社が教えてくれないお金の情報を発信していきますので、これからもブログ覗きに来てください!
ご覧いただきありがとうございました!