医療保険は必要?不要??

悩む 保険

皆さんこんにちは 保険、証券、投資信託を販売しない独立系ファイナンシャルプランナーの山本です。
本日は医療保険は必要か不要かと言う問題について話をしたいと思います。

受講生
受講生

医療保険って必要かな? 高額療養費制度があるから不要っても聞くけど・・・

先生
先生

医療保険って何か入っていないと不安と思いますよね。

医療保険の特徴や公的医療保険についても一緒に勉強しましょう!

この記事でわかること
・医療保険の仕組み
・医療保険のメリット、デメリット
・ご自身が加入が必要どうかの判断する情報が手に入ります!
この記事の内容
・医療保険の商品構成
・医療保険の加入目的
・医療保険が不要な理由

本記事では医療保険の特徴、公的保険の仕組みを解説しました。
公的保険、先進医療の知識を理解して、医療保険をどうするか決めましょう!!

医療保険とは??

医療保険には民間の医療保険と国が担っている公的医療保険の2種類が存在します。

民間の医療保険はみなさんがイメージされている、保険会社が商品を提供している医療保険のことで公的医療保険には、自営業の方などは国民健康保険、サラリーマンの方とそのご家族は健康保険(社会保険)に加入されています。
また、公的医療保険は他に、高額療養費制度や出産育児一時金、介護保険、後期高齢者医療制度など、ライフステージの様々な変化に伴い国が用意してくれているものがあります。

ここで抑えておいてほしいのは、みなさんが思い浮かばれている民間の医療保険は、公的医療保険をカバーする目的であるということです。

民間医療保険の特徴
●保険期間
一生涯保障される終身型とある年齢まで保障される定期型がある(今の主流派終身型)
●保険金の支払われ方
入院日額〇千円という定額型と実際に掛かった実費型がある(定額型が多い)
●主な特約
・入院一時金特約:入院したら一時金で10万円など先に支払うもの。
・女性疾病入院特約:女性特有の治療のための入院時に入院日額とは別に追加で支払う特約。
・先進医療特約:公的医療保険の対象となっていない、高度な医療技術を使ったもののうち
   厚生労働大臣が定めた先進医療を受けた際に実費を保障する特約。
民間医療保険のメリット
・保険金(現金)で受け取れるので使途が自由
・公的医療保険で補えない部分を補ってくれる
・会社を休んだ際の給与の減少の補ってくれる
・食事代や差額ベット代など治療費以外の掛かる費用に保険金を充てられる

以上のように、入院時に掛かる費用、収入減少を補うことが保険金でできます

民間医療保険のデメリット
・保険料が高い(元を取れる可能性が低い)
・支払日数が60日など短いのものが多い(本当に必要なのは脳疾患などの長期入院が必要な時)

保険料が高いという点について具体例とそのカラクリを見ていきましょう

設定
30歳女性
終身医療保険 日額10,000円(入院限度額60日)、終身払い、先進医療特約あり


上記の条件で試算すると保険会社によってばらつきはありますが保険料は月2,500円ほどになります。
女性の平均寿命の87歳まで57年間で支払う保険料は171万円です。(2,500円×12か月×57年)
日額1万円ということは171日一生涯で入院すればもとを取れます。

次に年齢別の平均入院日数を見ていきましょう。
こちらの表は厚生労働省が発表した平成29年(2017) 患者調査の概況から作ったものです。

全年齢の平均 29.3日
0~14歳 7.4日
15~34歳 11.1日
35~64歳 21.9日
65歳以上 37.6日

平均入院日数は29.3日ですが高齢者の入院が多いため、数値が引っ張られており、64歳以下では21.9日以下とかなり短い日数となっています。
もちろん高齢者になってから何度も長期入院をする可能性もあるので元を取れる可能性がありますが、70歳以上は高額療養費制度があるので年金収入が200万くらいまでの方なら月の上限が57,600円ですみます。

これらのデータから医療保険はもとを取るのが難しく、受け取る可能性が高い高齢者になってからは国の充実した公的医療保険のおかげで自己負担額上限が低くなっています。

それでも医療保険が必要なケースがどうようケースがあるか見ていきましょう。

医療保険の加入目的

医療保険の加入の目的はズバリ!収入の減少を補うためです!!
損害保険の分野でいう「所得補償保険」の性質に近いものがあります。

医療保険に加入した方が良い方

・自らが休んだ途端に収入が途絶える自営業の方
・固定給割合が少なく給与に占める歩合給の割合が多い方
・直近3か月の生活費の貯蓄がない方は加入をオススメします。
理由としては、医療保険金を収入の代わりという位置づけで考えた際、自営業の方や、歩合給割合が高い方は収入が一気にゼロに近付くので一家が路頭に迷う可能性があります。一方で有給がしっかりある方は残業代をあてにした生活をしていない限り、極端な影響はありません。どちらのパターンでも直近数か月の生活費の貯蓄があるならば生活に支障をきたさないから極端な考え方になるかもしれませんが、一定の貯蓄がある方は医療保険は必要ないかもしれません。

なぜ私がここまで医療保険の必要性を一部の方以外にないかと話す理由をお話ししたいと思います。

ほとんど方は医療保険が不要だという理由

保険会社の収益構造を知る

医療保険がほとんど方に不要だという理由を述べる前に、何故ほとんど方は医療保険に加入している。もしくは、加入を検討しているか考えてみてください。

多くの方がテレビ CM 、雑誌、電車の中吊り広告など日々様々な広告媒体から医療保険の存在を知り、身近な人に勧められたり、ライフステージが変わるタイミングで通販で申し込みした方多いのではないでしょうか?

これは保険会社が長年多額の広告費を使い有名な芸能人を使って保険の良いイメージを擦り込み宣伝してきた結果であります。
同じ種類の話をしますとマイホームの CM もそうですよね。
何か家族と幸せに暮らすのためにマイホームを買うことが一つのステータスであり人生のゴールであると・・・こういう考えも広告を使ってハウスメーカーが長年皆さんに擦り込んだひとつの成果であると考えます。
今日はそういったイメージといったものを取り払い経済的に合理性だけを考えて医療保険を加入すべきかどうか考えていきたいと思います。

投資のコラムでもお話をしましたが保険は投資ではなくギャンブル(マイナスサム)分類に入ります。
投資、投機、ギャンブルについて知りたい方はこちらをご覧ください。

なぜマイナスサムかというと保険の収益構造を見ていただくとわかります。

こちらはライフネット生命社の決算資料の一部ですが、私たちが支払う保険料には保険金の支払いに充てられる純保険料と、保険会社の運営に必要な経費にあたる付加保険料の合計を保険料として支払っています。ここからわかるように代理店を介在しない直接販売型の保険会社でさえ、付加保険料が26%ということは生保レディを多数採用している国内生保。代理店網を引いて代理店に手数料を支払う損保系、外資系保険会社の付加保険料は何%かなと思うと保険は損をするものだということが判りますよね?

保険会社の収益構造は皆さんから集めた保険料をもとに、実際に保険請求で支払う保険金販売する販売員の方への手数料、保険会社の社員の給料、テレビ CM やパンフレットなどにかかる広告費を差っ引いて利益を残す構造になっています。

もちろん扱っている保険料は資産運用に回しているのですが日本の保険会社の場合、 大半を日本国債で運用しているためほぼ運用益を得ることができず、頂いた保険料の中から、販売員の方への手数料や保険金広告紙などを支払っています。
このために、病気や死亡という不幸な方が儲かるという一種の宝くじの要素をもったのが保険であり、確実に儲かるのは保険会社のみという構造なのです。

このことを知ったうえで、最小限の費用で最大の効果を得るよう保険は掛ける必要があります。

高額療養費制度 健康保険組合の制度を理解する

日本において健康保険制度はとても他国と比べて優れており国民皆保険という言葉があるように健康で文化的な最低限度の生活を送れるよう国が健康保険制度を用意してくれています。

具体的には高額療養費制度や病気や怪我で会社を長期で休むザラなくを得なくなった時にもらえる傷病手当金などがありますにも関わらず日本の医療保険の加入率は 93.6%と非常に高くなっています。

◎高額療養費制度

高額療養費制度とは、病院や薬局で支払う医療費が高額になった時に、一定の限度額を超えると超えた分の金額が後で払い戻される制度のことです。
※健康保険組合よっては退院時に全額立替が不要な健康保険組合もあります※

70歳未満だと自己負担限度額は以下の表のとおりとなっています。
私自身、サラリーマンの時にスノーボードで前十字靭帯を断裂し、2週間ほど入院しました。
その際、高額療養費制度のおかげで食事代など入れても10万円程度の支払いで済みました。

また、妻が入院した際には、健康保険組合独自の制度で高額療養費の限度額が2万円と素晴らしい福利厚生制度があったため経済的に助かりました。この時は、プラスのサプライズでしたが勤務先の制度を理解しておくことも重要だと感じました。

下の表は70歳未満の自己負担の限度額になります。
一般的な日本人の平均年収433万ですと③区分ウに該当するので9万円+食事代、お見舞いの交通費、個室を希望した際は差額ベット費用といった支出が予想されます。

◎傷病手当金

傷病手当金とは、業務外で生じた怪我や病気により、連続する3日間を含んだ4日以上休職する際に受け取れるお金のことです。

ご自身が加入している健康保険組合に申請して、承認されると支給日から最長1年6か月の期間に受給できる仕組みとなっています。休職中に勤務先からの給与が出ない代わりに受け取れる一時金で、給与の2/3程度の金額が支給されるのが一般的です。
この制度は脳疾患や精神疾患などの治療期間が長期になるケースに大きく役立ちます。

こちらも健康保険組合によっては上記より良い福利厚生制度を引いてくれている会社もあるので勤務先の規定を把握しておくことをオススメします。

そうは言っても本当に不要???

ここまで読んでくださった方は、医療保険が得ではないこと。
公的医療保険の保障が充実しているので加入しなくてもいいかなと思われているかもしれません。
先に述べた通り、医療保険の加入目的は入院することによる収入の減少を補うことです。
なので、休むことが所得の減少に直結する方は加入をオススメします。


ここからは医療保険が必要という方の意見を見ていきましょう

先進医療は数百万するから医療保険必要でしょ?

ご意見のとおり、先進医療のみを保障する保険に加入するのは合理的と思います。
保険会社によっては月々500円で通算2,000万円まで保障される商品があります。

私の保険に対する基本的な考え方は宝くじです。(買えば損する)
事故や病気が起こった際に、経済的にどうしようもなくなるような大きなリスクに対して保険でカバーするという考えがあります。
なので発生確率が低い(治療を受けられる可能性が低い)先進医療ですが、受けた際には数百万の支出が発生するのでこれを保険でカバーするのはありと思います。
ほとんどの保険会社は主契約(日額いくらや実費保障)の特約でこの特約を販売していますが、単品で加入できる会社もあるので検討下さい。

一般病棟は嫌なので入院したら絶対に個室に入りたい!

こういう方いらっしゃりますよね。
一人部屋の差額ベット代は平均8,000円ほどなので1か月入院したら24万ほどになります。
こちらは健康保険対象外なので全額実費負担です。これを補うために医療保険に加入するという考えもありますが、当然治療費も賄おうとすると1日当たりの入院日額を15,000円などに設定する必要があるので保険料が高くなります。
先に述べたようよう基本的に損をする保険なので、自己資金で対応するか保険でカバーするかは冷静に考えた方がいいかなと思います。

10万円の急な支出が厳しい・・・

こういった方は先に述べた生活に支障をきたす。おそらく、仕事を休んだ途端に収入がなくなる職種の方が多いと思われるので医療保険に加入すべきと考えます。
将来的に3か月分の生活費の貯蓄が出来た際や、福利厚生が整った企業へ転職できたときに解約するか検討をすればいいと考えます。

まとめ

如何でしたでしょうか?
医療保険は収入の減少を補うもの。
基本的に損をする商品なので、入院したら生活がすぐに逼迫する人以外は加入不要。
先進医療に特化した保険は加入検討の余地がある。

これは私が保険会社に勤務しているときから思っていたことでしたが、退職して今のFP業を始めるまで素直に話せないことでした。
医療保険を推進する立場なのに、自分の家族は加入していないこの矛盾・・・

この記事をきっかけに是非とも保険の見直しをしていただきたいと思います。
節約に成功したお金は浪費に回すのではなく、自己投資や株式投資に回していただき、
少しでもみなさんの経済的自立に向けての一歩となることを願っています!

死亡保険にも充実した公的保険があるのでこちらも是非ご覧ください。
保険は販売できませんが、保険の見直しのお手伝いは本業でやっていますので、
ご不安な方はこちらからお問い合わせください!

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